1: 2020/12/09(水) 03:26:51.233 ID:f8fBmknz0.net
親友「どうしたの?道にでも迷った?……そんなわけないか。だってここは……」

親友「……キミとボクとの思い出の場所。ふふふっ、あんな文面でここに目星をつけてくれるなんて、嬉しいなぁ。」

親友「急にビックリしたでしょ。『あの場所でキミを待ってる』……なんて言われたらさ。」

親友「でもさ、どうしてもここじゃなきゃ駄目だったんだよ。ここでキミに、全部の決着をつけようと思ったから…。」

親友「…………その台に乗ってるもの、なんだか分かる?まあ、ある程度は予想ついてるのかな……布、めくってみてよ。」

親友「……残念だったね……生きているうちに再会できなくて。」

親友「…………もう何を言っても返事なんて出来やしない……もう氏んでるよ、キミの妹さん。」

親友「だってボクが頃したから。3日前に、この場所で。」

6: 2020/12/09(水) 03:36:20.840 ID:f8fBmknz0.net
親友「……これが冗談言ってるように見える?駄目だよ、現実は受け入れなくちゃ。」

親友「ははは……まあ無理もないかぁ。ただでさえ憔悴してる頭に、これだもんね。可哀想だけど、仕方ない。」

親友「キミはね……罪を償わなくちゃいけないんだ。身に覚えがあるかは知らないけど、キミは重い罪を犯した。」

親友「だからこれは、その罰。いや……試練という意味も込められているな。これから一生、キミは苦しまなくちゃいけない。」

親友「そうでなくっちゃ、ボクが救われない。…………お前のこと……許せそうにないんだよ…。」

親友「……キミさぁ……ここでボクにどんな言葉をかけたか、覚えてる?」

親友「身も心も疲れ果てて、途方にくれたボクに、キミは優しい言葉をかけてくれた。そのときキミはこう言ったんだ。」

親友「『俺でよければどんなことでも力になる』って…。その言葉にボクは、救われたんだ。」

親友「あのときボクにはキミが神様みたいに思えた。それくらい、ボクにとってキミは大きな存在だったってことさ。友達なんて言葉じゃ、片付けられないくらい。」

親友「その日からボクにとってキミは、なにか絶対的な存在になった。キミの言うことはすべて正しいし、キミの考えることにはすべて賛同してあげたよね。」

親友「だから当然、キミもボクをその通りに……互いが互いのことを、同じくらいに想ってるって、そう信じてたんだ。」

親友「……だけど……キミにとっては、ボクは所詮、友達のうちのひとりでしかなかったんだね…。」

9: 2020/12/09(水) 03:48:12.350 ID:f8fBmknz0.net
親友「キミにはボクなんかよりも大事なものがあったんだ。それも、物じゃなくて、人の……ボクも人なのに、ボクの上位互換ってやつが存在した。」

親友「それが……そいつ。キミは誰よりも妹さんを大事にしていて、溺愛していて、信じていた。」

親友「前にこんなことがあったよね。その日ボクとキミはいつも通り、同じ時間を共に過ごすはずだった。でも、そいつが熱を出したとかなんとかで……ボクのことを、蔑ろにしたんだ。」

親友「そのときボクは悟ったよ。ああ、キミにとってボクは、妹さんを愛する時間以外の暇つぶしの相手なんだ……って。」

親友「そのときから……憎くて憎くてっ、仕方なかった…っ。なによりもキミの愛を一身に受けているくせにそれを当たり前のように思って過ごしてるその女が!!そしてっ……」

親友「このボクの想いを踏みにじって……嘘をついた、お前のことが……!!」

親友「もちろん、それを表に出すことはなかったよ。でもね、一度糸が切れたあの日から、ずーっと憎んでいたんだよ……お前の隣……いや、お前の近くで。」

親友「だから……お前は、罰を受けなくちゃいけないんだ…。なんでも力になるとほざいておきながら、その約束を反故にしてっ、ボクを救おうとしなかったお前は!!地獄のような苦しみを受けなくっちゃいけないんだあッ!!」

親友「…………キミは、大事なものをふたつ失った…。ひとつは、何よりも大切だった妹の命を。そしてもうひとつは……友達だったはずの、このボクを。」

親友「ふふっ……この瞬間から、もうボクはキミの友達じゃなくなった…。妹を頃した、憎い殺人犯。」

親友「これから先、キミはボクの顔を思い出すたび、憎しみと悲しみを胸いっぱいにぶちまけることになる……!!」

親友「これだけ愛していたんだ……時間が経てば解決してくれるなんて、そんな……生易しいもんじゃ、ないだろ……?」

12: 2020/12/09(水) 03:59:59.463 ID:f8fBmknz0.net
親友「これからボクは、きっと逮捕されて、キミの傍から離れることになる。そして一生、殺人犯としての汚名を背負って生きていくことになるんだろう。」

親友「でも……いいんだぁ…。キミが苦しんでくれるなら……この身も、心も、時間も、なにもかも……ふふっ……惜しくなんかないよ。」

親友「今でもボクは、キミを想っている……いいや、これからもずっと、ボクの頭にはキミのことでいっぱいさ…。」

親友「だからボクは、この達成感と征服感と……ほんの少しの、優しい思い出だけで、生きていくことにするよ……。」

親友「……………違う……違うなぁ……それじゃ、不公平だね…。友達だったよしみだ、選択肢をあげるよ。ほらっ。」

親友「……それが、ボクがその女を頃した狂気。まだ血がついているだろ、正真正銘妹の血だよ……まあ、そんなことはいいか…。」

親友「そのナイフ、好きにしていいよ。今からそれはキミのものだ。好きに使って、いいよ。……ボクは逃げも隠れもしない…。」

親友「…………キミになら……ここで……殺されたって、構わないよ……。」

親友「生きていくなんて、そんなこと、ボクが勝手に決めちゃいけない。その決定権は今、キミの手の中にある。」

親友「キミの宝物を奪った仇が、今キミの目の前にいるんだよ?警察や法なんかに、その身を委ねていいのかい?そんなことで、ボクを許してしまって、本当にいいのかい?」

親友「……警察にはもう、通報してある。ボクがやったことも、そのとき伝えた。あと少しの時間で、警官が踏み込んでくるだろう。」

親友「もうあまり時間は残されていないよ…………ほら、何をしているんだい?さっさとしなって…。」

親友「さっさと…………キミの手でボクを殺せえええっっ!!!!」

15: 2020/12/09(水) 04:16:29.150 ID:f8fBmknz0.net
親友「…………。」

親友「……やあ……元気だったかい…。」

親友「…………。」

親友「……少し……痩せた…?それと……ちょっぴりシワが増えた…。」

親友「ボクの頭のなかのキミからは……ほんの少し、老けたみたいだ…。まあ……当然か…。」

親友「……ふふっ……ああ……まあ、こんな場所にいるとね……そりゃ、まともな姿にはならないさ……。」

親友「…………あのとき……キミの判断が、ほんの少し早かったなら……こんな姿、見せなくて済んだのにな…。」

親友「…………。」

親友「……ねえ…………なんで、会いに来たの……?」

親友「ボクのこと……許したわけじゃ、ないんだろ…。本当なら、こんなガラスを叩き割って……ボクの、この首を……へし折りたいって……そう思ってるんじゃ、ないの…?」

親友「…………。」

親友「…………そうかぁ……。」

親友「……見当違いだなぁ…。キミは、もう少し……自分の感情に、本気になれる人間だって……思ってたんだけど…。」

親友「ふふ……これじゃあボクの、想いは……。」

親友「………………え……。」

親友「……今、なんて……。」

親友「……ち……ちがう……。ボクは、キミの……仇で……」

親友「……あぁぁあああ……っ!!ちがうっ……ちがうっ、ちがぁうっ!!ぼ、ボクは……と、友達、じゃ……」

親友「…………どうして……」

親友「どうしてっ、キミは……っ……どうしてえっっ……」

親友「ううっ……ううぅぅうぅぅっ…………!!」

13: 2020/12/09(水) 04:00:35.399 ID:f8fBmknz0.net
みたいなの…

17: 2020/12/09(水) 04:36:19.729 ID:AKmC64wFd.net
佐々木で再生された

引用: 親友(♀)「……あれぇ、遅かったね。」