1: ◆HAM/FeZ/c2 2018/10/11(木) 03:07:52.610 ID:vfZ8sf9Y
男「うっし、引越しの荷物はこれで全部だな」
男「あー腰いてえ」
男「あとは…これだけ書斎に持ち込んでおくか」グイ
……
男「っと」ドサ
カチャン
男「ん? なんだこれ」
男「カセットテープ?」
4: 2018/10/11(木) 03:12:05.761 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.20 17:00】
男「1年くらい前のテープか」
男「前に住んでた人の忘れものかなんかかな」
男「かけてみるか」
ガチャリ
男「再生……と」カチカチ
ザ……ザー……
女『あー、あー』
女『聞こえますか?』
男「ん?」
男「1年くらい前のテープか」
男「前に住んでた人の忘れものかなんかかな」
男「かけてみるか」
ガチャリ
男「再生……と」カチカチ
ザ……ザー……
女『あー、あー』
女『聞こえますか?』
男「ん?」
5: 2018/10/11(木) 03:13:00.319 ID:8y3a+Cnxa
女『えーこんにちは』
男「はあ」
女『今日、この家に引っ越してきたものです』
女『新しい生活にわくわくしています』
男「なんだ、自分語りか。くだらねえ……」
女『あなたに聞いてもらいたくて、このカセットテープに吹き込んでいます』
男「え」
女『一人きり、新しい生活』
女『ペットも飼えないし、寂しいし』
男「はあ」
女『今日、この家に引っ越してきたものです』
女『新しい生活にわくわくしています』
男「なんだ、自分語りか。くだらねえ……」
女『あなたに聞いてもらいたくて、このカセットテープに吹き込んでいます』
男「え」
女『一人きり、新しい生活』
女『ペットも飼えないし、寂しいし』
8: 2018/10/11(木) 03:14:09.154 ID:8y3a+Cnxa
女『あ、このテープは、私のさらに前の人のものみたいです』
男「あん?」
女『なんかミュージシャンの人だったみたいで、録音装置とかカセットが山ほど残ってて』
女『だから有効利用してみようかな、と思いまして』
男「はは、ヒマなやつだな」
女『次の入居者さんに向けて、私のお喋りを録音します』
女『これから毎日、一本ずつ録音していきたいと思います』
男「おいおい」
女『だってめちゃくちゃいっぱいあるんだもん、テープ』
男「あん?」
女『なんかミュージシャンの人だったみたいで、録音装置とかカセットが山ほど残ってて』
女『だから有効利用してみようかな、と思いまして』
男「はは、ヒマなやつだな」
女『次の入居者さんに向けて、私のお喋りを録音します』
女『これから毎日、一本ずつ録音していきたいと思います』
男「おいおい」
女『だってめちゃくちゃいっぱいあるんだもん、テープ』
9: 2018/10/11(木) 03:15:16.967 ID:8y3a+Cnxa
女『この書斎を私の生活スペースにしようかな、と思います』
女『ここなら録音も読書もできるし、音楽も聞けるし』
男「ん、確かにいい部屋だな」
女『窓も大きいし』
男「……防音じゃねえのかな」
男「窓がある録音室ってどうなんだ」
女『このテープ、片面10分なんで、一日10分だけのお喋り』
女『B面は使いません』
男「お喋りって言っても……おれの声は聞こえないだろうよ」
女『ここなら録音も読書もできるし、音楽も聞けるし』
男「ん、確かにいい部屋だな」
女『窓も大きいし』
男「……防音じゃねえのかな」
男「窓がある録音室ってどうなんだ」
女『このテープ、片面10分なんで、一日10分だけのお喋り』
女『B面は使いません』
男「お喋りって言っても……おれの声は聞こえないだろうよ」
10: 2018/10/11(木) 03:16:24.023 ID:8y3a+Cnxa
女『という訳で、明日も聞いてくれますか?』
男「……」
女『……聞いてくれたら、いいな』
男「……」
女『あ、これを1年後の同じ日に聞いてるとは限らないですよね』
男「うん」
男「今日は……3月24日だし」
女『今日の分まで、一気に聞いちゃってください』
女『それで、次の日から一日一本!!』
男「栄養ドリンクみたいだな」
女『どうでしょう?』
男「どうでしょうって言われても」
女『先のテープは、まだ聞いちゃダメですからね!!』
男「……」
女『……聞いてくれたら、いいな』
男「……」
女『あ、これを1年後の同じ日に聞いてるとは限らないですよね』
男「うん」
男「今日は……3月24日だし」
女『今日の分まで、一気に聞いちゃってください』
女『それで、次の日から一日一本!!』
男「栄養ドリンクみたいだな」
女『どうでしょう?』
男「どうでしょうって言われても」
女『先のテープは、まだ聞いちゃダメですからね!!』
11: 2018/10/11(木) 03:17:28.650 ID:8y3a+Cnxa
女『それじゃあ、また明日』
ガチャリ
男「……」
男「10分ってあっという間なんだな」
男「ま、することもないし、次のやつ聞いてやるか」
【20××.3.21 17:00】
女『えっと、昨日と同じ時間に録音してみました』
女『これを聞いてくれてるってことは、私のお喋り、聞いてくれる気になったんですね』
男「……」
女『うれしい!!』
男「……はは、お気楽な子だな」
ガチャリ
男「……」
男「10分ってあっという間なんだな」
男「ま、することもないし、次のやつ聞いてやるか」
【20××.3.21 17:00】
女『えっと、昨日と同じ時間に録音してみました』
女『これを聞いてくれてるってことは、私のお喋り、聞いてくれる気になったんですね』
男「……」
女『うれしい!!』
男「……はは、お気楽な子だな」
12: 2018/10/11(木) 03:18:28.732 ID:8y3a+Cnxa
女『私、この春から異動してきたんですよ』
男「移動?」
女『まだ新米だから勉強も必要だって言われて』
女『町の代理店に、明後日から出勤なんです』
男「ああ、『異動』か」
女『楽しみなような、不安なような……』
女『でもここになら、不安をぶちまけることができそうだし、ちょっとこのテープ、頼りにしてます』
男「おれは一方的にぶちまけられるだけかい」
女『あなたの悩みも、時々聞きますよ♪』
男「聞こえねーだろ」
男「移動?」
女『まだ新米だから勉強も必要だって言われて』
女『町の代理店に、明後日から出勤なんです』
男「ああ、『異動』か」
女『楽しみなような、不安なような……』
女『でもここになら、不安をぶちまけることができそうだし、ちょっとこのテープ、頼りにしてます』
男「おれは一方的にぶちまけられるだけかい」
女『あなたの悩みも、時々聞きますよ♪』
男「聞こえねーだろ」
13: 2018/10/11(木) 03:19:50.531 ID:8y3a+Cnxa
女『ここ、すっごく交通に不便ですよね』
女『なにしろ町までバイクで30分!!』
男「じゃあなんでここ選んだんだよ」
女『伯父の紹介で、すごく安かったんですよ』
男「お」
女『まだ貯金も全然ないし、安さに勝る優先条件はないですよね』
男「なんか、今、会話みたいになったな」
女『だからここに決めたんです』
男「ちょっと面白いかも、な」
女『なにしろ町までバイクで30分!!』
男「じゃあなんでここ選んだんだよ」
女『伯父の紹介で、すごく安かったんですよ』
男「お」
女『まだ貯金も全然ないし、安さに勝る優先条件はないですよね』
男「なんか、今、会話みたいになったな」
女『だからここに決めたんです』
男「ちょっと面白いかも、な」
17: 2018/10/11(木) 03:25:25.912 ID:8y3a+Cnxa
女『とりあえずは1年ちょいの契約』
女『こっちの会社での研修期間も1年なんです』
男「短いな、研修」
女『早く研修終わって、一人前になりたいけど』
女『この家に1年しかいないっていうのはもったいない気がします』
男「だよな」
女『でも次の入居者さんももう決まってるっていうし、仕方ないですね』
男「ん? それっておれのことかな」
男「家決めたのって、いつだっけかなあ」
男「だいぶ前から目はつけてたけど……」
女『こっちの会社での研修期間も1年なんです』
男「短いな、研修」
女『早く研修終わって、一人前になりたいけど』
女『この家に1年しかいないっていうのはもったいない気がします』
男「だよな」
女『でも次の入居者さんももう決まってるっていうし、仕方ないですね』
男「ん? それっておれのことかな」
男「家決めたのって、いつだっけかなあ」
男「だいぶ前から目はつけてたけど……」
18: 2018/10/11(木) 03:26:16.112 ID:8y3a+Cnxa
女『明日はちょっと町へ出てみようかと思います』
男「去年22日は、休みの日だっけ」
女『色々と買い物もしなくっちゃね』
男「おお、参考にしようかな」
女『あなたも引っ越してきたばかりなら、参考にしてくださいね』
男「はは、見透かされてんな」
女『それじゃあ今日はこの辺で』
男「……早いな」
女『おやすみなさい』
男「早いだろ」
ガチャリ
男「去年22日は、休みの日だっけ」
女『色々と買い物もしなくっちゃね』
男「おお、参考にしようかな」
女『あなたも引っ越してきたばかりなら、参考にしてくださいね』
男「はは、見透かされてんな」
女『それじゃあ今日はこの辺で』
男「……早いな」
女『おやすみなさい』
男「早いだろ」
ガチャリ
19: 2018/10/11(木) 03:27:18.050 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.22 19:00】
女『今日はちょっとしたハプニングが』
男「おお、いきなりどうした」
女『町に着いた途端ガス欠になったんですよ』
男「あ、はは、遠いしなあ」
女『ガソリンスタンドを探すのに手間取って、あんまり満足にお買い物できませんでした』
男「あーあ」
女『ていうか、バイクって重いんですね』
男「ずっと押してるとそう思うよな」
男「乗ってるだけだと気づかないもんだ」
女『今日はちょっとしたハプニングが』
男「おお、いきなりどうした」
女『町に着いた途端ガス欠になったんですよ』
男「あ、はは、遠いしなあ」
女『ガソリンスタンドを探すのに手間取って、あんまり満足にお買い物できませんでした』
男「あーあ」
女『ていうか、バイクって重いんですね』
男「ずっと押してるとそう思うよな」
男「乗ってるだけだと気づかないもんだ」
20: 2018/10/11(木) 03:28:24.069 ID:8y3a+Cnxa
女『でも、良い発見もあったんです』
女『町への一本道、途中に桜並木道があるんですよ!!』
女『ちょっとだけ、咲き始めてましたよ!!』
女『満開がすっごい楽しみです!!』
男「へえー」
女『あなたも、満開の頃にぜひ見に行ってみてくださいね』
男「いいな、それ」
女『絶対ですよ!!』
男「はいはい」
女『町への一本道、途中に桜並木道があるんですよ!!』
女『ちょっとだけ、咲き始めてましたよ!!』
女『満開がすっごい楽しみです!!』
男「へえー」
女『あなたも、満開の頃にぜひ見に行ってみてくださいね』
男「いいな、それ」
女『絶対ですよ!!』
男「はいはい」
22: 2018/10/11(木) 03:28:55.569 ID:8y3a+Cnxa
女『あなたがどんな人なのか、興味があります』
男「お」
女『何歳くらいかな』
女『男の人かな、女の人かな』
女『どんなお仕事してるのかな』
女『ってね』
男「おれは……20代のしがない小説書きだよ」
女『当ててみましょうか』
男「はは、やってみな」
女『小説家の人でしょう』
男「!!」
男「お」
女『何歳くらいかな』
女『男の人かな、女の人かな』
女『どんなお仕事してるのかな』
女『ってね』
男「おれは……20代のしがない小説書きだよ」
女『当ててみましょうか』
男「はは、やってみな」
女『小説家の人でしょう』
男「!!」
23: 2018/10/11(木) 03:29:44.118 ID:8y3a+Cnxa
女『はは、びっくりしましたか?』
男「う、うお、え」
男「嘘だろ」
女『なーんて』
男「は?」
女『当てずっぽうじゃないですよ』
女『不動産屋さんに、聞いてたんです、次に住む人のこと』
男「な、なんだ、驚いたわ、くそ」
男「う、うお、え」
男「嘘だろ」
女『なーんて』
男「は?」
女『当てずっぽうじゃないですよ』
女『不動産屋さんに、聞いてたんです、次に住む人のこと』
男「な、なんだ、驚いたわ、くそ」
25: 2018/10/11(木) 03:31:47.402 ID:8y3a+Cnxa
女『まあ詳しいことはもちろん聞いてませんけどね』
男「プライバシーというものがあるからな」
女『いいな、私も小説好きなんです』
男「へえ、そりゃあいいことだ」
女『私の知ってる作家さんだったりして』
男「ないない、超無名だから」
男「ていうか去年の今頃だと一冊しか書いてないから」
女『想像すると楽しいですよね』
女『名前、言っちゃダメですよ』
男「言っても聞こえねーだろ」
男「プライバシーというものがあるからな」
女『いいな、私も小説好きなんです』
男「へえ、そりゃあいいことだ」
女『私の知ってる作家さんだったりして』
男「ないない、超無名だから」
男「ていうか去年の今頃だと一冊しか書いてないから」
女『想像すると楽しいですよね』
女『名前、言っちゃダメですよ』
男「言っても聞こえねーだろ」
28: 2018/10/11(木) 03:34:56.049 ID:8y3a+Cnxa
女『じゃあ、今日はこの辺で』
男「おう」
女『あ、歳が近いってこともチラッと聞いたんで、明日から、敬語やめようと思います』
男「不動産屋の親父……口軽くねえ?」
女『なんか敬語だと、堅苦しくて……』
女『じゃあ、また明日』
男「ふぅ……やれやれ」
ガチャリ
男「あと2本か」
男「一気に聞いちまうかなあ」
男「おう」
女『あ、歳が近いってこともチラッと聞いたんで、明日から、敬語やめようと思います』
男「不動産屋の親父……口軽くねえ?」
女『なんか敬語だと、堅苦しくて……』
女『じゃあ、また明日』
男「ふぅ……やれやれ」
ガチャリ
男「あと2本か」
男「一気に聞いちまうかなあ」
30: 2018/10/11(木) 03:36:09.827 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.23 20:00】
女『こんばんは』
男「はい、こんばんは」
男「こっちはまだ夕方ですが」
女『さっきお料理失敗して、家の中が焦げくさいの』
男「なにやってんだ」
女『いやあ、油断した』
男「なに作ってたんだよ」
女『ロールキャベツって、簡単だと思ってたんだけどなあ』
男「ロールキャベツ焦がせるって、それすごくね? 才能?」
女『こんばんは』
男「はい、こんばんは」
男「こっちはまだ夕方ですが」
女『さっきお料理失敗して、家の中が焦げくさいの』
男「なにやってんだ」
女『いやあ、油断した』
男「なに作ってたんだよ」
女『ロールキャベツって、簡単だと思ってたんだけどなあ』
男「ロールキャベツ焦がせるって、それすごくね? 才能?」
31: 2018/10/11(木) 03:37:04.526 ID:8y3a+Cnxa
女『今日は仕事始めだったんだけど、そっちの方は、まあ無事終了!!』
男「おお、もう始まったのか」
女『優しい先輩がいてくれて、色々と教えてくれたの』
男「そりゃあ、よかった」
女『私、偏頭痛持ちで心配だったんだけど、ここのところ調子もいいみたい』
女『一回痛くなり始めると、大変なの』
男「へえ」
男「なったことないからわからないけど、普通の頭痛よりも痛いもんなのかな」
女『あと、格好いい上司の人もいたの♪』
男「おお……ちょっと妬けるな」
男「おお、もう始まったのか」
女『優しい先輩がいてくれて、色々と教えてくれたの』
男「そりゃあ、よかった」
女『私、偏頭痛持ちで心配だったんだけど、ここのところ調子もいいみたい』
女『一回痛くなり始めると、大変なの』
男「へえ」
男「なったことないからわからないけど、普通の頭痛よりも痛いもんなのかな」
女『あと、格好いい上司の人もいたの♪』
男「おお……ちょっと妬けるな」
33: 2018/10/11(木) 03:38:34.988 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.24 19:00】
女『やっほー』
男「お、テンション高いな」
女『今日も快調ー』
女『先輩も格好いいしー』
女『マキさんも優しいしー』
男「はは、順調だね」
男「おれも明日からそうなるといいんだけど……」
女『今週の金曜日に歓迎会してくれるっていうから、楽しみ!!』
男「おお、いいじゃん」
男「おれも酒飲みたくなってきたな……」
女『うふふ』
男「ビールでも開けるか」
女『やっほー』
男「お、テンション高いな」
女『今日も快調ー』
女『先輩も格好いいしー』
女『マキさんも優しいしー』
男「はは、順調だね」
男「おれも明日からそうなるといいんだけど……」
女『今週の金曜日に歓迎会してくれるっていうから、楽しみ!!』
男「おお、いいじゃん」
男「おれも酒飲みたくなってきたな……」
女『うふふ』
男「ビールでも開けるか」
35: 2018/10/11(木) 03:39:29.792 ID:8y3a+Cnxa
プシッ
ゴクゴク
男「っくぁー!! うめえ」
男「さ、続き続き」
カチャリ
女『始めてまだ少しだけど、私のことばっかり話してるね』
男「ふぅ……」
男「そりゃ、まあ、君のテープだし」
女『あなたの話も聞きたいな』
ゴクゴク
男「っくぁー!! うめえ」
男「さ、続き続き」
カチャリ
女『始めてまだ少しだけど、私のことばっかり話してるね』
男「ふぅ……」
男「そりゃ、まあ、君のテープだし」
女『あなたの話も聞きたいな』
36: 2018/10/11(木) 03:40:43.754 ID:8y3a+Cnxa
男「あなたの話もって……」
男「聞こえるのか?」
女『聞こえるよ』
男「……」
男「え?」
女『多分』
男「……」
女『聞こえたら、いいな、ってね!!』
男「ああ、そういうことか」
男「時々シンクロして、びっくりするわ」
男「聞こえるのか?」
女『聞こえるよ』
男「……」
男「え?」
女『多分』
男「……」
女『聞こえたら、いいな、ってね!!』
男「ああ、そういうことか」
男「時々シンクロして、びっくりするわ」
37: 2018/10/11(木) 03:41:49.206 ID:8y3a+Cnxa
女『小説は、進みそう?』
男「ん、まだ取りかかってないしな」
男「これから、これから」
女『どんな小説が好きなの?』
男「ん、読むなら推理小説かな」
男「おれが書いてるのはちょっと違うけど」
女『私はね、ミステリーが好き』
女『ちょっとした日常のおかしさとか、そういうの』
男「へえ」
女『本格的な推理小説は頭がこんがらがるし』
女『かといって恋愛ものもちょっとね』
男「女の子にはそっちの方が好きって子が多いんじゃないか」
女『周りの友だちは恋愛小説ばっかり進めてくるんだけどね』
男「うん、だろうね」
男「ん、まだ取りかかってないしな」
男「これから、これから」
女『どんな小説が好きなの?』
男「ん、読むなら推理小説かな」
男「おれが書いてるのはちょっと違うけど」
女『私はね、ミステリーが好き』
女『ちょっとした日常のおかしさとか、そういうの』
男「へえ」
女『本格的な推理小説は頭がこんがらがるし』
女『かといって恋愛ものもちょっとね』
男「女の子にはそっちの方が好きって子が多いんじゃないか」
女『周りの友だちは恋愛小説ばっかり進めてくるんだけどね』
男「うん、だろうね」
39: 2018/10/11(木) 03:43:12.947 ID:8y3a+Cnxa
男「気分転換しながら、まあゆっくり書いていくさ」
男「君が好きそうな小説も、いつか書けたらいいな」
女『楽しみにしてるよ』
女『あなたの小説を、読む日を』
男「……」
女『うふふ』
男「はは」
女『ジャンルが違いすぎたら、どうしようって思うけど』
男「ホラーとか?」
女『ホラーとか、ね』
男「はは」
男「君が好きそうな小説も、いつか書けたらいいな」
女『楽しみにしてるよ』
女『あなたの小説を、読む日を』
男「……」
女『うふふ』
男「はは」
女『ジャンルが違いすぎたら、どうしようって思うけど』
男「ホラーとか?」
女『ホラーとか、ね』
男「はは」
40: 2018/10/11(木) 03:44:23.499 ID:8y3a+Cnxa
女『じゃあ、また明日』
男「ん、おやすみ」
女『おやすみ、またね』
ガチャリ
男「次は明日か……」
男「明日は何時だろ」
カチャカチャ
男「夜か……」
男「……」
男「とりあえず、飯作るか」
男「ん、おやすみ」
女『おやすみ、またね』
ガチャリ
男「次は明日か……」
男「明日は何時だろ」
カチャカチャ
男「夜か……」
男「……」
男「とりあえず、飯作るか」
41: 2018/10/11(木) 03:45:20.135 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.25 22:30】
女『ごめんね、今日はちょっと遅くなったわ』
女『仕事は早く帰れたんだけど……』
男「ん?」
女『頭痛が出ちゃってね、仕事にならなかったんだ』
男「おいおい大丈夫か」
女『心配してくれてる?』
男「ん、まあ、な」
女『ありがと』
男「はは」
男「じゃあ今日はゆっくり休みなよ」
女『薬がまだ残ってるから平気よ』
女『ちょっとボーっとしちゃうけどね』
女『ごめんね、今日はちょっと遅くなったわ』
女『仕事は早く帰れたんだけど……』
男「ん?」
女『頭痛が出ちゃってね、仕事にならなかったんだ』
男「おいおい大丈夫か」
女『心配してくれてる?』
男「ん、まあ、な」
女『ありがと』
男「はは」
男「じゃあ今日はゆっくり休みなよ」
女『薬がまだ残ってるから平気よ』
女『ちょっとボーっとしちゃうけどね』
42: 2018/10/11(木) 03:47:22.336 ID:8y3a+Cnxa
女『私の頭痛はいきなりガッときて、何ごともなかったようにすっと治まるの』
男「へえ、大変だな」
女『薬がなくなる前に、町でいいお医者さんを見つけなきゃね』
男「……」
女『ま、大丈夫、大丈夫』
女『明日にはきっとケロッとしてるんだから』
男「そうだといいな」
女『明日は歓迎会もあるんだから、絶対行かなくちゃ』
男「無理すんなよー」
男「へえ、大変だな」
女『薬がなくなる前に、町でいいお医者さんを見つけなきゃね』
男「……」
女『ま、大丈夫、大丈夫』
女『明日にはきっとケロッとしてるんだから』
男「そうだといいな」
女『明日は歓迎会もあるんだから、絶対行かなくちゃ』
男「無理すんなよー」
43: 2018/10/11(木) 03:48:18.165 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.26 23:00】
女『今日は快調でありました!!』
男「おう、えらく遅かったな、今日は」
女『先輩に送ってもらっちゃったーうふふ』
男「こんな場所までかよ」
男「先輩、ご苦労さんですね」
女『隣の席でーいっぱい喋ったのーいえー』
男「酔っ払ってるなあ」
男「ていうか、この状態でよく録音できてるな」
女『いえー』
女『今日は快調でありました!!』
男「おう、えらく遅かったな、今日は」
女『先輩に送ってもらっちゃったーうふふ』
男「こんな場所までかよ」
男「先輩、ご苦労さんですね」
女『隣の席でーいっぱい喋ったのーいえー』
男「酔っ払ってるなあ」
男「ていうか、この状態でよく録音できてるな」
女『いえー』
45: 2018/10/11(木) 03:49:03.674 ID:8y3a+Cnxa
女『ワイン美味しかったー』
男「ワインかーおれは苦手なんだよなあ」
女『あとねえ、上司の人が飲んでた熱燗もちょっともらったの』
男「ああ、アレも無理だわ」
女『あとねえ、ビールも飲んだし、梅酒も美味しかったよう』
男「そんなに色々飲んで大丈夫かよ……」
女『うーん、ちょっと眠い』
男「早く寝なさい」
女『あははははは!!』
男「いきなりハイになるな!!」
男「ワインかーおれは苦手なんだよなあ」
女『あとねえ、上司の人が飲んでた熱燗もちょっともらったの』
男「ああ、アレも無理だわ」
女『あとねえ、ビールも飲んだし、梅酒も美味しかったよう』
男「そんなに色々飲んで大丈夫かよ……」
女『うーん、ちょっと眠い』
男「早く寝なさい」
女『あははははは!!』
男「いきなりハイになるな!!」
46: 2018/10/11(木) 03:49:48.916 ID:8y3a+Cnxa
男「……」
女『……』
男「ん?」
女『ちょ、気持ち悪い……』
男「え」
女『お、おえ』
男「おいおいおいおい」
女『おえろろろろろろろろ』
男「ぎゃああああああああ」
女『あうー』
男「おいおいおいおい、大丈夫かよ」
女『……おやすみ……』
男「片付けろよ……」
男「ていうか録りなおせよ……」
女『……』
男「ん?」
女『ちょ、気持ち悪い……』
男「え」
女『お、おえ』
男「おいおいおいおい」
女『おえろろろろろろろろ』
男「ぎゃああああああああ」
女『あうー』
男「おいおいおいおい、大丈夫かよ」
女『……おやすみ……』
男「片付けろよ……」
男「ていうか録りなおせよ……」
49: 2018/10/11(木) 03:50:41.968 ID:8y3a+Cnxa
【20××.3.27 11:00】
女『おはよう』
男「ん、おはよう」
男「珍しく早いな」
女『昨日、私、なに喋ってたのかな』
男「覚えてないのか」
女『床も、その、汚れてた、し……』
男「あー」
女『あ、あはは』
女『ごめんね』
男「謝らなくてもいいけど」
女『うう』
女『おはよう』
男「ん、おはよう」
男「珍しく早いな」
女『昨日、私、なに喋ってたのかな』
男「覚えてないのか」
女『床も、その、汚れてた、し……』
男「あー」
女『あ、あはは』
女『ごめんね』
男「謝らなくてもいいけど」
女『うう』
53: 2018/10/11(木) 03:52:22.969 ID:8y3a+Cnxa
男「あんまり酒飲んだことないのか?」
女『お酒、そんなに強くないの』
男「それなのにいっぱい飲むから」
女『それなのに昨日は飲みすぎちゃった……』
男「しかもチャンポンで」
女『もうしばらく先輩の前では飲まないことにする』
男「そうしな」
女『ああーなんか失礼なこと言わなかったかなー』
男「んーどうだろ」
女『あああ~』
女『お酒、そんなに強くないの』
男「それなのにいっぱい飲むから」
女『それなのに昨日は飲みすぎちゃった……』
男「しかもチャンポンで」
女『もうしばらく先輩の前では飲まないことにする』
男「そうしな」
女『ああーなんか失礼なこと言わなかったかなー』
男「んーどうだろ」
女『あああ~』
54: 2018/10/11(木) 03:53:39.477 ID:8y3a+Cnxa
……
男「ははは」
女『うふふ』
女『はあ、なんか色々喋ったら、すっきりしちゃった』
男「昨日吐いてるからじゃね?」
女『ありがとう』
男「おれはなにもしてねえよ」
女『じゃ、またね』
男「おう、またな」
ガチャリ
男「ふふふ……」
男「さて、明日のは何時かなっと」
ゴソゴソ
男「ははは」
女『うふふ』
女『はあ、なんか色々喋ったら、すっきりしちゃった』
男「昨日吐いてるからじゃね?」
女『ありがとう』
男「おれはなにもしてねえよ」
女『じゃ、またね』
男「おう、またな」
ガチャリ
男「ふふふ……」
男「さて、明日のは何時かなっと」
ゴソゴソ
55: 2018/10/11(木) 03:55:04.557 ID:8y3a+Cnxa
―20××.3.28―
男「ふああ~」
男「眠いな」
男「つうか筆が進まねえ」
男「あ~あ」
編集「あ、あの」
男「おぅわあ!!」
編集「す、すみません」
編集「何回もチャイム鳴らしたんですけどお出にならないものだから……」
男「あ、ああ、今日、来る日でしたっけ」
編集「ええ、お久しぶりですね」
男「そうですね」
男「ふああ~」
男「眠いな」
男「つうか筆が進まねえ」
男「あ~あ」
編集「あ、あの」
男「おぅわあ!!」
編集「す、すみません」
編集「何回もチャイム鳴らしたんですけどお出にならないものだから……」
男「あ、ああ、今日、来る日でしたっけ」
編集「ええ、お久しぶりですね」
男「そうですね」
56: 2018/10/11(木) 03:56:26.620 ID:8y3a+Cnxa
男「コーヒーとか、どうです?」
編集「あ、いただきます♪」
男「まあインスタントですけどね」
編集「うふふ」
編集「この辺、お店も家も少ないようですけど……不便じゃありません?」
男「はは、まあ、たまーに町に出て買い物するのも楽しいものですよ」
編集「へえ~」
男「まあ男一匹、気ままなもんです」
編集「結婚はされないんですか?」
男「予定がないもんで」
編集「そ、そうですか」
編集「あ、いただきます♪」
男「まあインスタントですけどね」
編集「うふふ」
編集「この辺、お店も家も少ないようですけど……不便じゃありません?」
男「はは、まあ、たまーに町に出て買い物するのも楽しいものですよ」
編集「へえ~」
男「まあ男一匹、気ままなもんです」
編集「結婚はされないんですか?」
男「予定がないもんで」
編集「そ、そうですか」
58: 2018/10/11(木) 03:57:44.393 ID:8y3a+Cnxa
編集「新作、売り上げが少しずつ伸びてます」
男「え、本当に」
編集「ええ、口コミから広がって。発行部数増やそうと上に掛け合ってるところです」
男「うわ、うわ、嬉しいな」
男「君がいつもかけまわってくれるおかげで、僕は小説で食べていけるんです」
男「ほんと、いつも、ありがとう」
編集「い、いえ、そんな……」
編集「先生の作品にもともと魅力があるからですよ」
男「いやいや、そんなことないって」
男「え、本当に」
編集「ええ、口コミから広がって。発行部数増やそうと上に掛け合ってるところです」
男「うわ、うわ、嬉しいな」
男「君がいつもかけまわってくれるおかげで、僕は小説で食べていけるんです」
男「ほんと、いつも、ありがとう」
編集「い、いえ、そんな……」
編集「先生の作品にもともと魅力があるからですよ」
男「いやいや、そんなことないって」
63: 2018/10/11(木) 03:59:29.768 ID:8y3a+Cnxa
編集「それで、次の作品にも注目が集まっているんですが……」
男「あ、ああ、そうだよね」
男「今あんまり進んでなくて、ね」
編集「そうですか……」
編集「でも、いい環境じゃないですか」
編集「きっといいインスピレーションが湧いてきますよ」
男「うん、そうだといいね」
編集「で、雑誌の方での読者の反響なんですが……」
……
男「あ、ああ、そうだよね」
男「今あんまり進んでなくて、ね」
編集「そうですか……」
編集「でも、いい環境じゃないですか」
編集「きっといいインスピレーションが湧いてきますよ」
男「うん、そうだといいね」
編集「で、雑誌の方での読者の反響なんですが……」
……
65: 2018/10/11(木) 04:01:15.051 ID:8y3a+Cnxa
編集「で、ここの数字を……」
男「うん」ソワソワ
編集「あれ、どうしました?」
男「あ、いや、別に」ソワソワ
編集「はあ……」
男「あとやっとく事は、これだけですか」
編集「あ、そうですね」
編集「また来週あたり、取りに来させてもらいます」
男「ああ、はい、よろしくお願いします」
編集「それじゃ、そろそろ帰りますね」
編集「長居して申し訳ありませんでした」
男「いやいや、そんなことないですよ」
編集「では、失礼します」
男「うん」ソワソワ
編集「あれ、どうしました?」
男「あ、いや、別に」ソワソワ
編集「はあ……」
男「あとやっとく事は、これだけですか」
編集「あ、そうですね」
編集「また来週あたり、取りに来させてもらいます」
男「ああ、はい、よろしくお願いします」
編集「それじゃ、そろそろ帰りますね」
編集「長居して申し訳ありませんでした」
男「いやいや、そんなことないですよ」
編集「では、失礼します」
66: 2018/10/11(木) 04:02:32.445 ID:8y3a+Cnxa
男「いかん、ちょっと時間が過ぎてしまった」
【20××.3.28 15:00】
女『こんにちは』
男「ほい、ちょっと遅れた、ごめん」
女『今日も町に出てみたよ』
男「ほほう」
女『いい感じの商店街を見つけたので、あなたも行ってみて』
女『お肉屋さんがサービスしてくれるし』
男「それは君だからじゃないか?」
……
女『じゃあ、またね』
ガチャリ
男「うーん」
男「知らず知らずのうちに楽しみになってしまっているな、このテープ」
【20××.3.28 15:00】
女『こんにちは』
男「ほい、ちょっと遅れた、ごめん」
女『今日も町に出てみたよ』
男「ほほう」
女『いい感じの商店街を見つけたので、あなたも行ってみて』
女『お肉屋さんがサービスしてくれるし』
男「それは君だからじゃないか?」
……
女『じゃあ、またね』
ガチャリ
男「うーん」
男「知らず知らずのうちに楽しみになってしまっているな、このテープ」
67: 2018/10/11(木) 04:03:53.775 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.1 20:00】
女『……こんばんは』
男「ん、暗いな」
男「どうしたの」
女『最近頭が痛いって、言ってたじゃない』
男「あ、ああ」
女『偏頭痛だって、思ってたの』
男「?」
女『今日ね、町で大きめのお医者さんを見つけたから、帰りに寄ったの』
男「へえ」
女『……こんばんは』
男「ん、暗いな」
男「どうしたの」
女『最近頭が痛いって、言ってたじゃない』
男「あ、ああ」
女『偏頭痛だって、思ってたの』
男「?」
女『今日ね、町で大きめのお医者さんを見つけたから、帰りに寄ったの』
男「へえ」
68: 2018/10/11(木) 04:05:10.560 ID:8y3a+Cnxa
女『また頭痛薬もらっておこうと思ったんだけど、お医者さんが変なこと言ったの』
男「あん?」
女『念のためレントゲンとっておきましょうか、って』
男「レントゲンって胸じゃねえの」
女『あ、レントゲンみたいなものを、って言ってたの』
女『MRI? そんな感じの横文字のやつね』
女『とにかく、詳しく検査した方がいいとか言われて』
男「はあ」
女『偏頭痛って、なにも映らないらしいの、本当は』
男「え」
女『でも、なにか、映ってたの、頭の中に』
男「……」
男「あん?」
女『念のためレントゲンとっておきましょうか、って』
男「レントゲンって胸じゃねえの」
女『あ、レントゲンみたいなものを、って言ってたの』
女『MRI? そんな感じの横文字のやつね』
女『とにかく、詳しく検査した方がいいとか言われて』
男「はあ」
女『偏頭痛って、なにも映らないらしいの、本当は』
男「え」
女『でも、なにか、映ってたの、頭の中に』
男「……」
73: 2018/10/11(木) 04:06:28.618 ID:8y3a+Cnxa
女『私にはわかんないけど』
女『お医者さんも、気にするほどのものじゃありませんよ、って笑ってたけど』
男「……」
女『怖いの』
男「……」
女『頭の中にね、影があるんだよ』
女『腫瘍とか、そういうのだったらどうしようって思った』
男「……」
女『今までもらってた薬と、違うものも渡されたし』
男「……」
女『突然氏んだら、どうしよう』
男「っ!!」
女『お医者さんも、気にするほどのものじゃありませんよ、って笑ってたけど』
男「……」
女『怖いの』
男「……」
女『頭の中にね、影があるんだよ』
女『腫瘍とか、そういうのだったらどうしようって思った』
男「……」
女『今までもらってた薬と、違うものも渡されたし』
男「……」
女『突然氏んだら、どうしよう』
男「っ!!」
76: 2018/10/11(木) 04:07:48.507 ID:8y3a+Cnxa
女『あなたに話しかける、この時間が、私の楽しみだったのに』
男「……」
女『今日は、ちょっと、楽しくないや、ごめんね』
男「……」
女『気にしなくていいって言われたから、気にしないことにする』
男「でも」
女『ごめんね、変な話しちゃった』
女『明日からはまた、普通のテンションで、ね』
男「……」
女『じゃあ、おやすみ、またね』
男「……」
ガチャリ
男「……」
女『今日は、ちょっと、楽しくないや、ごめんね』
男「……」
女『気にしなくていいって言われたから、気にしないことにする』
男「でも」
女『ごめんね、変な話しちゃった』
女『明日からはまた、普通のテンションで、ね』
男「……」
女『じゃあ、おやすみ、またね』
男「……」
ガチャリ
77: 2018/10/11(木) 04:09:54.560 ID:8y3a+Cnxa
男「……」
男「いきなり、そんなこと言われたって……」
男「テープはずっと先まであるじゃないか……」
女『先のテープは、まだ聞いちゃダメですからね!!』
男「突然氏んだり、しないよな、な」
男「……」
男「頼むから」
男「……」
男「はは、テープはもう止まってるってのに、誰に話しかけてるんだ、おれは」
男「寝るか……」
男「いきなり、そんなこと言われたって……」
男「テープはずっと先まであるじゃないか……」
女『先のテープは、まだ聞いちゃダメですからね!!』
男「突然氏んだり、しないよな、な」
男「……」
男「頼むから」
男「……」
男「はは、テープはもう止まってるってのに、誰に話しかけてるんだ、おれは」
男「寝るか……」
79: 2018/10/11(木) 04:11:17.233 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.2 19:00】
女『おいっす!!』
男「おいおい、テンション高いな」
女『今日はね、雨が降っちゃって』
男「おお」
女『春雨!!』
男「お、おお」
女『いやー30分雨にうたれながらの通勤ってのは最悪ですね!!』
男「その割には嬉しそうだな」
女『先輩が優しくココア入れてくれたし……』
女『それに、先輩のタオル借りちゃった♪』
男「ああ、それでか」
女『帰りには雨もあがってたし、30分頑張った甲斐があったわ』
男「はは」
女『おいっす!!』
男「おいおい、テンション高いな」
女『今日はね、雨が降っちゃって』
男「おお」
女『春雨!!』
男「お、おお」
女『いやー30分雨にうたれながらの通勤ってのは最悪ですね!!』
男「その割には嬉しそうだな」
女『先輩が優しくココア入れてくれたし……』
女『それに、先輩のタオル借りちゃった♪』
男「ああ、それでか」
女『帰りには雨もあがってたし、30分頑張った甲斐があったわ』
男「はは」
80: 2018/10/11(木) 04:12:39.905 ID:8y3a+Cnxa
……
女『このテープがあなたのもとに届くまでに、1年間かかるわけじゃない?』
男「うん」
女『それって、なんだか不思議だなって、思ったの』
男「どういうこと?」
女『私の今を、あなたは1年後に同じように共有してくれるわけじゃない』
女『あなたにとっての私は過去だけど、私にとってのあなたは未来なの』
男「はあ……まあ、そういうことだな」
女『1年間だけ時空を超える、タイムカプセルなのよ、このテープは』
男「はは、幻想的だな」
女『それも10分間だけの、ね』
女『このテープがあなたのもとに届くまでに、1年間かかるわけじゃない?』
男「うん」
女『それって、なんだか不思議だなって、思ったの』
男「どういうこと?」
女『私の今を、あなたは1年後に同じように共有してくれるわけじゃない』
女『あなたにとっての私は過去だけど、私にとってのあなたは未来なの』
男「はあ……まあ、そういうことだな」
女『1年間だけ時空を超える、タイムカプセルなのよ、このテープは』
男「はは、幻想的だな」
女『それも10分間だけの、ね』
82: 2018/10/11(木) 04:14:16.141 ID:8y3a+Cnxa
男「10分間だけ、か」
男「インスタントだな」
女『インスタント・タイムカプセルよ』
男「……」
男「お、おお」
女『素敵よね』
男「君の発案だろ?」
女『さすが私!!』
男「ははは」
男「インスタントだな」
女『インスタント・タイムカプセルよ』
男「……」
男「お、おお」
女『素敵よね』
男「君の発案だろ?」
女『さすが私!!』
男「ははは」
84: 2018/10/11(木) 04:15:33.962 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.3 13:00】
女『おやすみイエーイ!!』
男「……」
女『イエーイ!!』
男「……」
女『イエーイ!!』
男「うるせえよ」
女『今日もお昼ごはんをつくるの失敗したよ!!』
男「イエーイじゃねえじゃん」
女『はっはっは、笑っとけ笑っとけ』
男「おいおい」
男「ま、元気でなによりです」
女『おやすみイエーイ!!』
男「……」
女『イエーイ!!』
男「……」
女『イエーイ!!』
男「うるせえよ」
女『今日もお昼ごはんをつくるの失敗したよ!!』
男「イエーイじゃねえじゃん」
女『はっはっは、笑っとけ笑っとけ』
男「おいおい」
男「ま、元気でなによりです」
87: 2018/10/11(木) 04:17:07.954 ID:8y3a+Cnxa
男「今日はなにを失敗したんだよ」
女『パスタをアルデンテにしようとしたら固すぎたの』
男「……それでよく一人暮らししようと思ったな」
女『もっかい茹でたら味がなくなったの』
男「馬鹿すぎるだろ」
女『だから今日は塩パスタだったの……』
男「……」
女『……イエーイ』
男「悲しい」
女『パスタをアルデンテにしようとしたら固すぎたの』
男「……それでよく一人暮らししようと思ったな」
女『もっかい茹でたら味がなくなったの』
男「馬鹿すぎるだろ」
女『だから今日は塩パスタだったの……』
男「……」
女『……イエーイ』
男「悲しい」
88: 2018/10/11(木) 04:19:01.359 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.4 15:00】
女『おやすみイエーイ!!』
男「それは昨日も聞いた」
女『あれ? 聞こえないよ?』
女『イエーイ!!』
男「……イエーイ」
女『声が小さいぞー』
男「聞こえねーだろ」
女『イエーイ』
男「はいはい、イエーイ」
男「なんだこのノリは」
女『おやすみイエーイ!!』
男「それは昨日も聞いた」
女『あれ? 聞こえないよ?』
女『イエーイ!!』
男「……イエーイ」
女『声が小さいぞー』
男「聞こえねーだろ」
女『イエーイ』
男「はいはい、イエーイ」
男「なんだこのノリは」
91: 2018/10/11(木) 04:20:32.698 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.9 18:00】
女『今日はとても残念なお知らせがあります』
男「あん?」
女『先輩に彼女がいました……』
男「お、おう、そっか」
女『仕事をする気力が起きません』
男「……」
男「なんでそれがわかったんだ」
女『今日、思い切って、晩御飯を誘ったら、彼女と予定があるって』
男「……」
女『うう……』
男「ま、まあ、気を落とすなよ」
女『ブルー』
女『マジブルー』
女『今日はとても残念なお知らせがあります』
男「あん?」
女『先輩に彼女がいました……』
男「お、おう、そっか」
女『仕事をする気力が起きません』
男「……」
男「なんでそれがわかったんだ」
女『今日、思い切って、晩御飯を誘ったら、彼女と予定があるって』
男「……」
女『うう……』
男「ま、まあ、気を落とすなよ」
女『ブルー』
女『マジブルー』
92: 2018/10/11(木) 04:22:20.702 ID:8y3a+Cnxa
女『マジレンジャー!! ブルー!!』
男「そんな特撮ありそうだな」
女『マジレッドはいつも充血してるの』
男「は?」
女『マジイ工口ーはいつもシャツが黄色いの、洗ってないから』
男「お前はなにを言っているんだ」
女『マジピンクは淫乱だけど処Oなの』
男「おい!! その口閉じろ!!」
女『ちょっと今日は調子が悪いな……』
男「絶好調じゃね」
男「そんな特撮ありそうだな」
女『マジレッドはいつも充血してるの』
男「は?」
女『マジイ工口ーはいつもシャツが黄色いの、洗ってないから』
男「お前はなにを言っているんだ」
女『マジピンクは淫乱だけど処Oなの』
男「おい!! その口閉じろ!!」
女『ちょっと今日は調子が悪いな……』
男「絶好調じゃね」
96: 2018/10/11(木) 04:23:51.778 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.12 20:00】
女『今日は、続、残念なお知らせです』
男「またか」
女『先輩の彼女って言うのはマキさんのことでした』
男「……おおう」
女『マジブルーです』
男「マジブルーはどういう特性なの」
女『マジブルーは結婚を間近に控えた鬱気味のOLです』
男「マリッジブルーじゃねえか」
女『姑さんに早速目の前で愚痴を言われまくったんです』
男「重いよ」
女『今日は、続、残念なお知らせです』
男「またか」
女『先輩の彼女って言うのはマキさんのことでした』
男「……おおう」
女『マジブルーです』
男「マジブルーはどういう特性なの」
女『マジブルーは結婚を間近に控えた鬱気味のOLです』
男「マリッジブルーじゃねえか」
女『姑さんに早速目の前で愚痴を言われまくったんです』
男「重いよ」
98: 2018/10/11(木) 04:25:14.982 ID:8y3a+Cnxa
女『でもね、もういいの』
女『新しい恋を探して頑張るの』
男「前向きだな」
女『先輩の名前って、言ったことあったっけ』
男「いや、知らない」
女『伊達先輩って言うの』
男「伊達さんね」
女『マキさんと結婚したら……』ププ
男「……」
女『伊達巻き!!』ブフゥ
男「おうふ」ブフゥ
女『新しい恋を探して頑張るの』
男「前向きだな」
女『先輩の名前って、言ったことあったっけ』
男「いや、知らない」
女『伊達先輩って言うの』
男「伊達さんね」
女『マキさんと結婚したら……』ププ
男「……」
女『伊達巻き!!』ブフゥ
男「おうふ」ブフゥ
99: 2018/10/11(木) 04:27:28.773 ID:8y3a+Cnxa
女『って思ったら、すっきりしちゃった』
男「楽天家でいいね、君は」
女『でもまあ、しばらくは頑張って仕事に打ち込んで、忘れようと思う』
男「ん、頑張れ」
女『あなたはお仕事進んでる?』
男「ぼちぼちかな」
女『インスタント・タイムカプセルを題材にしてくれたら、読むからね』
男「……ん」
女『うふふ』
男「楽天家でいいね、君は」
女『でもまあ、しばらくは頑張って仕事に打ち込んで、忘れようと思う』
男「ん、頑張れ」
女『あなたはお仕事進んでる?』
男「ぼちぼちかな」
女『インスタント・タイムカプセルを題材にしてくれたら、読むからね』
男「……ん」
女『うふふ』
100: 2018/10/11(木) 04:29:15.526 ID:8y3a+Cnxa
男「……そっか、失恋か」
女『新しい恋を探して頑張るの』
男「……」
男「あれ、なんでおれ、ホッとしてるんだろう」
男「応援してるつもりだったのに……」
男「……」
男「まあいいや、寝よ寝よ」
女『新しい恋を探して頑張るの』
男「……」
男「あれ、なんでおれ、ホッとしてるんだろう」
男「応援してるつもりだったのに……」
男「……」
男「まあいいや、寝よ寝よ」
105: 2018/10/11(木) 04:32:45.828 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.14 8:00】
女『おはよう』ハァハァ
男「去年の今日って平日じゃないのか」
男「なんで8時?」
女『今日……バイクが……壊れましたあ……』ハァハァ
男「おいおい」
女『だからね、会社に電話してね、今バイク押してます』ハァハァ
男「なにやってんだよ」
女『ただ歩くだけじゃしんどいから、ポータブルのやつ使って録音しながら、出勤』ハァハァ
男「無理して喋るなよー」
女『おはよう』ハァハァ
男「去年の今日って平日じゃないのか」
男「なんで8時?」
女『今日……バイクが……壊れましたあ……』ハァハァ
男「おいおい」
女『だからね、会社に電話してね、今バイク押してます』ハァハァ
男「なにやってんだよ」
女『ただ歩くだけじゃしんどいから、ポータブルのやつ使って録音しながら、出勤』ハァハァ
男「無理して喋るなよー」
107: 2018/10/11(木) 04:34:51.039 ID:8y3a+Cnxa
女『今ね、桜の木が満開なの』
男「へえ」
女『前に話したよね、並木道の話』
男「ああ」
女『ほんと、きれいなの』
男「……今日は町に出てみるか」
女『今歩いているこの道が、いつか懐かしくなるのかな』
男「……」
女『そんなふうに、いつか振り返れたら、いいな』
男「……」
男「へえ」
女『前に話したよね、並木道の話』
男「ああ」
女『ほんと、きれいなの』
男「……今日は町に出てみるか」
女『今歩いているこの道が、いつか懐かしくなるのかな』
男「……」
女『そんなふうに、いつか振り返れたら、いいな』
男「……」
109: 2018/10/11(木) 04:37:42.713 ID:8y3a+Cnxa
女『あなたの今には、私はその家にいないんだよね』
男「そうだな」
女『実家に戻ってるのかな』
男「実家どこなんだろう」
女『それとも研修が長引いていて、まだ近くに住んでるかな』
男「……」
女『想像できないけれど、今を懐かしく振り返れてる人生なら、いいな』
男「……」
女『病院とかだったら、やだな』
男「やめろって」
女『えへへ、冗談冗談』
男「笑えないんだよ」
男「そうだな」
女『実家に戻ってるのかな』
男「実家どこなんだろう」
女『それとも研修が長引いていて、まだ近くに住んでるかな』
男「……」
女『想像できないけれど、今を懐かしく振り返れてる人生なら、いいな』
男「……」
女『病院とかだったら、やだな』
男「やめろって」
女『えへへ、冗談冗談』
男「笑えないんだよ」
110: 2018/10/11(木) 04:39:21.846 ID:8y3a+Cnxa
……
男「お、いらっしゃい」
編集「またチャイム鳴りませんでしたよ」
男「ははは、直そうと思わなくって」
編集「どうしてですか、不便ですよ」
男「君くらいしか来ないからね」
編集「……」
男「はっはっは」
編集「毎回毎回不法侵入してる気分の私の身にもなってくださいよ」
男「はっはっは」
男「お、いらっしゃい」
編集「またチャイム鳴りませんでしたよ」
男「ははは、直そうと思わなくって」
編集「どうしてですか、不便ですよ」
男「君くらいしか来ないからね」
編集「……」
男「はっはっは」
編集「毎回毎回不法侵入してる気分の私の身にもなってくださいよ」
男「はっはっは」
111: 2018/10/11(木) 04:41:37.585 ID:8y3a+Cnxa
男「今書いている短編が終わったら、次に書きたいものがあるんですが」
編集「お!! いいですね!!」
男「お互いに顔も知らない同士の二人が、カセットテープでつながる話なんです」
編集「ほうほう」
男「仮タイトルはインスタント・タイムカプセルで」
編集「ノリノリじゃないですか!!」
編集「なんですか、いいインスピレーションが湧いたんですか」
男「ええまあ」
編集「お!! いいですね!!」
男「お互いに顔も知らない同士の二人が、カセットテープでつながる話なんです」
編集「ほうほう」
男「仮タイトルはインスタント・タイムカプセルで」
編集「ノリノリじゃないですか!!」
編集「なんですか、いいインスピレーションが湧いたんですか」
男「ええまあ」
112: 2018/10/11(木) 04:43:05.589 ID:8y3a+Cnxa
編集「なんだか生き生きしてますよ、先生」
男「そうですか?」
編集「なんだか顔色もとってもいい感じ」
男「ふだん顔色悪いんですか、僕」
編集「あああ、いや、いや、そういうことではなくて」
男「ははは」
編集「あはは」
男「今度までにプロット作っておきますから」
編集「はい、楽しみにしてます」
編集「でも、今書いてるものを落とすことはしないでくださいよ」
男「はいはい」
男「そうですか?」
編集「なんだか顔色もとってもいい感じ」
男「ふだん顔色悪いんですか、僕」
編集「あああ、いや、いや、そういうことではなくて」
男「ははは」
編集「あはは」
男「今度までにプロット作っておきますから」
編集「はい、楽しみにしてます」
編集「でも、今書いてるものを落とすことはしないでくださいよ」
男「はいはい」
114: 2018/10/11(木) 04:44:38.262 ID:8y3a+Cnxa
編集「では、また来ます」
男「はーい」
編集「あ、あの、先生」
男「ん?」
編集「あの、この間素敵なイタリア料理のお店を見つけたんです」
男「ふうん」
編集「で、ですね、今度ご一緒に行きませんか?」
男「え」
編集「あああ、もちろん、お暇でしたら、ですけど」
男「ああ、いいですね」
男「僕、町の方あまり知らないし、案内してくださいよ」
編集「はっ、はい!! 喜んで!!」
男「はーい」
編集「あ、あの、先生」
男「ん?」
編集「あの、この間素敵なイタリア料理のお店を見つけたんです」
男「ふうん」
編集「で、ですね、今度ご一緒に行きませんか?」
男「え」
編集「あああ、もちろん、お暇でしたら、ですけど」
男「ああ、いいですね」
男「僕、町の方あまり知らないし、案内してくださいよ」
編集「はっ、はい!! 喜んで!!」
116: 2018/10/11(木) 04:45:58.907 ID:8y3a+Cnxa
【20××.4.29 16:00】
女『今日はマキさんとランチしてきたよ♪』
男「おう、祝日か、今日は」
女『おいしーいイタリアンのランチ♪』
男「イタリアンねえ」
男「そういやあれから編集さんと具体的な約束してないな」
女『マキさんが、先輩に告白したお店なんだって』
男「……へえ」
女『そういう成功したカップルがたくさんいるんだって、ネットで紹介されてるお店らしいの』
男「……へ、へえ」
女『その話はちょっとつらかったけど、私もいつかこのお店で告白とかしてみたいなあ』
女『今日はマキさんとランチしてきたよ♪』
男「おう、祝日か、今日は」
女『おいしーいイタリアンのランチ♪』
男「イタリアンねえ」
男「そういやあれから編集さんと具体的な約束してないな」
女『マキさんが、先輩に告白したお店なんだって』
男「……へえ」
女『そういう成功したカップルがたくさんいるんだって、ネットで紹介されてるお店らしいの』
男「……へ、へえ」
女『その話はちょっとつらかったけど、私もいつかこのお店で告白とかしてみたいなあ』
118: 2018/10/11(木) 04:47:33.416 ID:8y3a+Cnxa
男「……」
女『だってね、すっごく素敵な雰囲気なのよ』
男「……」
女『男の人も入りやすそうだし、だけどムードもあるし』
女『ランチでもディナーでもいい感じのお店だったよ』
女『あなたも是非、行ってみてね』
男「……」
女『あ、そういえば、あなたはいい人がいるの?』
男「ん……」
女『知らないな、そういう話』
男「どうかな」
男「わからない」
女『だってね、すっごく素敵な雰囲気なのよ』
男「……」
女『男の人も入りやすそうだし、だけどムードもあるし』
女『ランチでもディナーでもいい感じのお店だったよ』
女『あなたも是非、行ってみてね』
男「……」
女『あ、そういえば、あなたはいい人がいるの?』
男「ん……」
女『知らないな、そういう話』
男「どうかな」
男「わからない」
120: 2018/10/11(木) 04:48:57.259 ID:8y3a+Cnxa
女『実を言うとね、私、まだ会ったこともないのに』
女『あなたが、ちょっと、気になるの』
男「!!」
女『えへへ、変だよね』
男「……」
男「おれも……かな」
男「変だよな」
女『色んな想像を、毎日してるの』
女『あなたはどんな人なのかなあって、ね』
男「……」
男「おれもだよ、多分」
女『あなたが、ちょっと、気になるの』
男「!!」
女『えへへ、変だよね』
男「……」
男「おれも……かな」
男「変だよな」
女『色んな想像を、毎日してるの』
女『あなたはどんな人なのかなあって、ね』
男「……」
男「おれもだよ、多分」
122: 2018/10/11(木) 04:50:27.051 ID:8y3a+Cnxa
男「毎日想像してる、気がする」
女『失恋したばっかだけど、いや、だからこそかな』
女『気になっちゃうんだなあ』
男「へえ」
女『みつを』
男「はあ?」
女『なーんて、ね』
男「あん?」
女『気にしないで、ただの戯言よ』
男「はいはい」
男「いい人、かあ」
男「具体的な約束、しようかな、早いとこ」
女『失恋したばっかだけど、いや、だからこそかな』
女『気になっちゃうんだなあ』
男「へえ」
女『みつを』
男「はあ?」
女『なーんて、ね』
男「あん?」
女『気にしないで、ただの戯言よ』
男「はいはい」
男「いい人、かあ」
男「具体的な約束、しようかな、早いとこ」
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